映画「レスラー」泣きました。ミッキー・ローク主演の映画で自分が泣くことになるとは思わなかった。ほんとは「グラン・トリノ」見たかったのだが、もう影も形もなし。しかたなく、といった感じで、妻も半分クエスチョンマークを頭の上にくっつけていたけれど、町山智浩の2008年ベスト映画の記事を見せたり、ヴェネツィア映画祭で金獅子賞を受賞してることなど説明して同行に同意を得る。
しかし立川Cinema Cityはスクリーンの数が多く、場所も別れているので、もっときちんと調べておくべきだった。Webで予約してテキトーにあたりをつけてスタートぎりぎりに到着したら、違う場所を指示され、すでに上映開始時間を過ぎているので次回以降の上映になると言われ、見てみれば次は16:00。さすがに6時間も待つことはできない、と伝えると、窓口の女性はすぐに上映館のスタッフに電話連絡してくれて、遅れて2名途中入場できるよう手配してくれた。すばらしい、使えるスタッフだ。立川Cinema Cityブラボー!
で、ドリンクも買わず(というかカウンターはすでに片付けられてた)、駆けつけたらちょうどオープニング・クレジットが終わるところ。まどぎわ通信を読むと、その冒頭のシークエンスが重要らしいのだが、見逃したものはしょうがない。ただ、それがなくても主人公の置かれた境遇は、パイプ椅子に腰掛けてうなだれるミッキー・ロークの背中ですぐに理解できる。プロレスの世界もユーモアたっぷり、というかユーモアあふれるプロレスの世界を愛情を持って描いているところも好きだ。そして日本で先日亡くなったレスラーのことを思い浮かべながら、複雑な気持ちで見終わった。
家族という社会のセーフティネットはメンテナンスなしでは肝心なときに機能しない。だから、リスクが高くても、より居心地のいい「現実」を選択せざるを得ないんだよ、四の五の言っても痛いのはヤダからね、というのがこの映画のメッセージ。・・・なのだろうか。そんな悲しいプロットがロークにフィットしすぎだ。ホント泣ける。齢を重ねて相変わらず可愛らしいマリサ・トメイも、どん底の不安感を顔面に作って秀逸。
帰り道にラーメンスクウェアでつけ麺、妻はラーメン食べた。ここは、店の入れ替えを前提にしているのだろうか、インテリアとラーメンの印象がちぐはぐな空間だった。やはり店の雰囲気は、細部まで含めて、その味に影響を与える重要な要素なのだ。