That’s What Love Will Make You Do

ことしのツール・ド・フランスは、堪能とまではいかなかったけれど、それなりに楽しめた。先日ドーピング検査陽性のニュースが出たものの、期間中じゃなかったせいか、それほどインパクトがなかった気がする。仕事終わって帰ってきて、リラックスしながらツールのステージを観戦する、なんという贅沢。選手たちは期間中、ほぼ毎日走り続けるので、その疲労とか消耗とか半端ないだろう。それでもピレネーを登り、アルプスを登り、平坦地は時速40、50キロとかで駆け抜ける。3週間のうちに3500キロって、並みの人間じゃない。わたしが同じ距離を走ろうと思ったら半年以上かかる。しかも平坦地のみで。

それで想起されたのがジェリーのこと。沢田研二ではなく、ガルシアの方。最近Jerry Garcia Bandの1978年に行われたライブの全録音をコンプリートシェアしようというプロジェクトが進行中で、先日その第1弾が公開された。1978-02-18> 1978-03-16という期間で9.46GB。全部で25GB前後という膨大な量だ。このおっさんはGrateful Deadという怪物バンドのリーダーでもあるわけだが、その活動とは別に自分のバンド、そのほか時間の許す限りあらゆるセッションに参加していたツワモノ中のツワモノ。しかも78年は前年の映画制作時から常習しはじめたクスリの影響下にあったはず(このころのドラッグへの没入が彼の寿命を縮めたとわたしは解釈してる)。そんななか80年代前半には徐々にパフォーマンスの質を落としていったらしいのだが、78年時点での演奏を聴くとそんなことは微塵も感じさせない。むしろ最近のわたしのお気に入りでさえある。これはいったいどういうことなのか?当時の録音を聴くにつけ、「ジェリーは常人じゃない」感は高まるばかりである。最近のツールではドーピングした選手は資格を剥奪されるが、ドーピングしまくったジェリーがステージ出入り禁止にならずにホントによかった。結果的に彼の音楽人生を縮めることになったとしたら残念だけれど。

彼の命日に。
http://en.wikipedia.org/wiki/Jerry_Garcia