Elis

最近はElis Reginaばかり聴いている。前からCDは持っていたけれど、どういうわけか、何をきっかけにしたか思い出せないが、ビビッときてしまい。それからはElisであれば何を聴いても良い状態。いろいろ音楽を聴いていると、こういうことがたまにある。というか、いろんなものにビビッとくる頻度は年とともに高くなっているような気がする。本も同じようなもの。ちなみに宮城谷昌光はわたしにはまだ早いみたいだ。彼のエッセイを集めた「他者が他者であること」には、まったくシンパシーを感じられなくて、読むのをやめてしまった。こんなこともある。

それはさておき私の中のブラジルブームはいまだ鎮火する様子はみえない。だいたいポルトガル語も分からんのにChico Buarqueがどうとか、Ney Matgrossoがどうとかよく言えるよなあ。いや、だから、歌詞分からんでも、感じることできるでしょう音楽は。と自分に言い聞かせつつ、それでもいまさらElisなのか、と思う。すばらしいタレントを持った歌手に共通するスタイルに「笑いながら唄う」があると、勝手に決めつけてるのだが、Elisもそうなのだ。笑いながらというのは単に笑顔で唄うということではなく、笑い声を交えながら唄うということ。上に貼っつけたYouTubeはそうでもないけど、この曲のオリジナルのスタジオ・テイクでは、Elisがおもいっきり笑い声をあげながらの楽しい録音が聴ける。
コイツね
Elis

同様にSam CookeとかOtis Reddingの笑いながら唄う曲が頭のどこかでいつも鳴っている。アフロ系アメリカ人を取り巻く環境としては今と比較すれば相当ひどかったはずだけど、それでも笑いながら唄えるってえのは、いくら白人マーケットに食い込もうとしてたとしても天才かアホのどちらか。Elisにしたって、ブラジルの軍事政権はかなり酷かったらしいから、笑ってる場合じゃないはずだろう。それでも笑っているのは、彼、彼女らに、何だか分からんが降臨してくるものがあったんだろうと想像する。それが自分にとって気持ちのいいもので、自然と笑うことができたのだと。悲しいのを通り越して笑うしかなかったとしたら、それこそ哀しいけれど。

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