読売新聞の日曜版か何かに下関の「ふく」の取材記事があったので、何となく頭にあったのと、あんまり寒いので熱燗でも、と思い、試しに買ってみた。ヒレ酒というのはそれほどポピュラーなものなのだろうか?陸で採れた米と海で獲れる魚が奏でる変奏曲といったところか。(ぷーっ)パッケージは写真のように説明が満載だ。ヒレは肉厚のものが2枚、これを酒に放り込んで電子レンジで加熱するとのこと。実際やってみると乾燥しきっているはずのヒレだが酒を吸い込むのに時間がかかるみたいで、加熱後もプカプカ表面に浮いている。ヒレは乾燥させただけじゃなく、あぶってあるらしいので香ばしい香りがする。ただ浮いているということはヒレのエキスも溶け出してないわけで、最初は旨くない。臭みがあってまずいといった方が正確、これが酒じゃなかったら飲まない。半分まで飲んだところで昼飯になったので、そのまま放置して食後に再度啜ってみたら、独特の臭みは残っているものの、なかなか沁みる濃い味に変わっていた。ただ単に酔っただけかもしれないが。なかなかオツなものだなあ。立川談志はモノを無駄にするのが嫌いで、あるとき食べ終わった鮭のヒレをとっておいて乾燥させたものをヒレ酒にしてみたそうだが、弟子と一緒に飲んで「こりゃだめだな」と言ったらしい。とこれを書きながらそろそろヒレ酒はなくなるけど残ったヒレは再利用可能なのだろうか。