Tangier

kai

もういまから10年近く前になるけど、モロッコのタンジールという町を歩いていて、喫茶店の前を通りすぎながら、店の前のテラスがほとんど男性客で埋まっているのを見たとき、かなりの違和感を覚えた。座っている男たち全員が、することもなく、ハッピーな感じもなく、行きずりのアジア系ツーリストにするどい視線を送っている感じ。イスラム教だから女性は外出してお茶することもできないのかあ、なんだか不公平だなと思った。ところが「イスラーム不思議曼荼羅」という本を読んでいたら、「喫茶店は男の避難所」というコラムが載っていて、女性たちは近所に住む仲間同士で誰かの家に集まっておしゃべりを楽しむ習慣があり、その間、男たちは外で時間をつぶさなければならないと書いてある。なぜなら、亭主は女友達とおしゃべりしている女房の部屋に入ることができないから。そして、自分専用の部屋を持たない普通の男たちは、しかたなく男同士で喫茶店のテーブルを前に長時間過ごしているとも。なるほど、男たちの表情が冴えなかったのは、そういう理由だったのね、と納得。野町和嘉氏のすばらしい写真が使われたこの本、軽く読めるわりには深い。

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