井筒俊彦の講演をまとめた「イスラーム文化」は、とても読みやすい。ニュースではよく耳にする「シーア派」「スンニ派」といった言葉の意味も分かるし、個人の生活や政治、法律などを「神との契約」の表現として規定する考え方など、宗教というよりは「生きざま」を支えるベーシックな哲学という印象を受けた。まあそれが宗教というものなのだろうけど。
わたしのイスラムとの遭遇体験といえば、昔インドネシアのロンボク島を旅したとき、泊まったところがモスクの近所で、早朝から爆音で鳴り響くコーランで叩き起こされたくらいだったが、そんなハタ迷惑な記憶とはかなりギャップが大きい、奥ゆかしさを感じました。