Soba

ご近所へ引越しの挨拶にそばを持っていくことなど、最近では珍しいことではないだろうか。わたしたちも昨日、菓子折りと子どもと一緒に挨拶に出かけた。学校の先生をしているというTさんは同じ敷地に住んでいるので、以前から顔を合わせているが、きちんとあいさつしてくれるので、わたしも心掛けて応えるようにしていてよかった。
デジタル技術の森の中で仕事をしていると、顔が見えないコミュニケーションがほとんどだが、一度でも会ったことがある人だとやはり話しやすいのは当然だろう。

きょうの昼は人形町ナンバー1の立ち食いそば、鰹節問屋が経営している「そばよし」。入ってみると、なにやら揉めている様子。工事現場の作業服を着たおじさんは、カレーライスを食べたくて、カレーとついている食券を買ってみたのだが、出てきたのはカレーそば。「オレはご飯が食べたいんだよ」と主張するおじさんに、それは無いけど、あと150円出せばセットになってご飯が付きますよという店の最前線に立つおばちゃん(お姉さんかも)が応戦。カレーがのったご飯を食べたかったみたい。ただ、そんなメニューはないので、店側は代替案を出していたのだが、結局交渉は決裂、おじさんは金なんかいらねえ!と言い残して退場してしまった。

そこまでは江戸っ子気質を感じさせるといえば、いえなくもない抑えの利いたパフォーマンスだったが、去り際に「外人なんか使ってんじゃねえ」と吐き棄てたのはいただけなかった。確かに店で働く女性2名は、アジア系外国人のようだったが、店内のコミュニケーションに関しては何の問題もない、むしろおじさんは食券を買う前に自分の食べたいものを伝えて、アドバイスを受けるべきだったろう。そこまでして、なお自分のリクエストが通じなかったとしても、それは彼女たちが外国人だからというわけではない。日本語の理解力が低いというだけで、食券を買わずに出る選択肢も選べたはず。おかげでせっかくのそばが不味くなった。

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