“確かに僕らはこころのせいで、愚かしい欲望を抱き、不合理な衝動に身をゆだね、ばかげた関係性に身を投じる。きっと性愛が無かったら、僕たちは天井知らずに賢くなれたことだろう。でも、その賢さにはどんな意味があるのか? 何の意味もない。僕らはしばしば、怜悧な知性よりも性愛の快楽を選んでしまう程度には愚かしい。しかし、その愚かしさゆえにこそ、僕らは転移しあい、関係しあい、つまり愛しあうことができるのかもしれない。”
? 斎藤環
「生き延びるためのラカン」

Bent my ear to hear the tune and closed my eyes to see
“確かに僕らはこころのせいで、愚かしい欲望を抱き、不合理な衝動に身をゆだね、ばかげた関係性に身を投じる。きっと性愛が無かったら、僕たちは天井知らずに賢くなれたことだろう。でも、その賢さにはどんな意味があるのか? 何の意味もない。僕らはしばしば、怜悧な知性よりも性愛の快楽を選んでしまう程度には愚かしい。しかし、その愚かしさゆえにこそ、僕らは転移しあい、関係しあい、つまり愛しあうことができるのかもしれない。”
? 斎藤環
「生き延びるためのラカン」