“きみが、なんだか毎日の生活に疲れ果てたような気持になったときには、もう何も考えずに町でいちばんおおきな書店に行って、おもいきり古い時代の本を買ってきてしまえばいい。
そして帰りにはその足で洋菓子店によって、レモンタルトやエクレア、ミルフィユに下品なくらい生クリームがごてごて載ったイチゴケーキも買い込んで、アパートに帰って、カウチに座り込んで、泣くまいとおもっていたのに流れてきてしまうクソ涙をぬぐって、
「いづれの御時にか、…」でもよければ「Haet! We have heard of the glory of the SpearDanes in the old days, the king of tribes?」でもかまわない、
もう今日は朝まで寝ないぞ、鳥の声がするまで、現代のクソ時間とはおさらばだ、と心に決めて、英雄達が冬の北海の霧のなかでもらす深いため息や、ヴァルハラから降りて、騎士達の魂を抱きとめて空中へさらってゆくバルキューレたちの歌声に耳をすますのが良いと思う。”?