社会に出てから1ヶ月以上が経過して、短いスカートの派手な女子高校生を見て少し落ち込むようになった。学生の頃と比べると、終わりが見えない社会人生活はキラキラするわけもなく、毎日早く帰りたい、きみに会いたい、音楽を聴きたい、美味しいものを食べたい、としか考えられなかった。3歩くらい前を歩く女の子のボブラインが綺麗で羨ましく、恐らくそうはなってない自分の髪を少し触って整えた。線路に近い道を頻繁に歩くようになって気付いたのは、電車が通る時の音、地面に伝わってくる振動がとても怖いことだった。あの子は、こんな怖い思いをして飛び込んだのかと考えるともっと怖くなった。髪が短い私を褒めてくれたことを髪を切るたびに思い出す。今回の髪は失敗だった。なんか綺麗じゃないし、ボサボサになるんだ。また切ろう。永遠に会えないことがまだ信じられず、今までと同じようにまた当たり前に私たちの未来にきみがいる気がします。こうやって文に書くの怒りそうだからこれで最後にするね。月より綺麗で可愛い君へ。
髪を切った。生まれてからずっと黒髪だったのに一度青にするのにブリーチして色を抜いたせいでだんだん茶色になってきた。茶色だけは無理だと言ってたのに。早めに黒に戻そうと思う。髪を切っても、天使にはなれなかった。上向きの睫毛も、白くてもちもちに見える肌も手に入れられない。もう無理だとわかっているのにまた「天使」と検索し、3分くらいは眺めてやめる。天使は煙草は吸わないだろうか、ダイエットは上手くやっていける方なのかな、天使になりたかった。
同じ布団で寝ていても案外泣いていることはバレない。どんなに言葉をもらっても、隣にいる時間を過ごしても、愛してくれてることをわかっても、私は君の何になれているのかとまだ考える。かわいくもなければ曲もかけない、色んな人の前に立って色んな人の目を見て愛を歌えるほど強くない、目も大きくないし、細くもない、君が私のことをみんなにはわからないようにこっそりSNSに書いたことはないし、書いてほしいわけじゃない。ラブソングに私を重ねて聴いてほしいわけじゃない。君にとってのなにが私?は?は?俺たちってなに?のやつ?
バンドが流行る1.2年前から好きだったことを盾みたいにして、私はあんたたちとは違うからねって馬鹿みたいにしている。くだらない。自分に誇れることがなさすぎて、本当に関係のない歴とかでしか語れないのか。つまらない人間。行けないライブが多いことでそんな自分で作った盾がどんどん破壊されていく。仕事終わりに急いで向かえば最後の1時間だけ見れたイベントに、最初からいる人と同じお金を払って入ることに少し勇気が必要だが、それをやっている人がいて自分がただ弱いだけということをズケズケと盾の内側を踏み散らかされて気づく。小さい頃野球観戦に途中からでもいくか、最初から行きたいかで従姉妹と大喧嘩したことを思い出した。
もうどうでもいいから抱きしめてくださいよ〜という気持ちの時、何も言わなくてもかわいいねとぎゅっとしてくれるのだから、恋人同士にしては当たり前のような時間も私にとっては奇跡みたいに感じた。なるべく強く抱きしめてほしい。大丈夫だと言ってほしい。今日も頑張ったから、明日かも頑張るから。気付いたら1人で寝る夜は大体寝落ちてしまっていた。疲れている。永遠に君の隣で眠ることができたらどれほど良いのだろうか。