231029
朝、どしゃりと雨が降っている。
行きたくないなと思いながら、アルバイト。
開店の頃に雨は上がった。
日記を読む。
『若き日の日記』神谷美恵子。四月、五月の春の空気の描写にうっとりとし、次の春にはもうここにはいない、ということに心がしんとした。
店の横のイヌエンジュの、ゆたかな芽吹きを、来年はきっとみない。–
231030
朝、憂鬱な膜に覆われていた。
食パンにはちみつをかけて、甘える。透明な四角になっていた。
そこを季節が通り過ぎていく。
いつだって、わたしは置いていかれる。
仕事。
どうにも落ち込んだままで。
ほんのりお腹が痛いと思っていたら、他の人も同じ感じで、気圧のせいということにする。適当。夜、本を読みながらねてしまっていた。
ページにはさんだままの指が痛い。–
231031
朝、起きられない。
今はそういう時期らしい。
日記をつけている手帳が最後の1ページになってしまった。
どうしよう、11月と12月。
仕事。
手元が覚束なくて、試薬をこぼす。
ぼんやりしていて、まだ何も入れていないのにバイアル瓶のふたをしめる。
頭がかすんで、よくわからなかった。
体調をくずす予感がする。
風邪薬をのんで、はやめにねた。