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millmilkmill:

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10月も終盤、色々なことが突然目まぐるしく変わり始めた。

何十年も顔を合わせていない小学校の同級生から1月にみんなで集まるから連絡先を教えて欲しいと言われたことから始まり、次いでの突然の連絡は大学の教授からだった。

元々今の職場は体力的な限界を感じて3月末での退職を決めていた。今のご時世ではありえないことかもしれないが、これはほぼ丸1年前に当たる4月から伝えていたことだった。

2ヶ月間休職したことを省けば、それ以外の6年は絶え間なく仕事をしてきたし、次の仕事を始めてしまえばなかなか休みを取れないからと就活はしないで、ハネムーンとして4月に1ヶ月のヨーロッパ周遊を計画していた。就活はその後でするつもりで。

連絡内容としては、助手として大学に戻って来ないかということだった。募集を出す前に決めてもらえば学内推薦でそのまま契約すると。教授は金銭面や休みなど福利厚生はよく分からないと恐ろしいことをいうので、既に助手として働く同級生に連絡をとったところOLさんのような勤務形態となり、maxで年収は150万くらい下がってしまうようだった。

教員、という仕事にはずっと憧れというか、今の実務臨床よりもこちらの方が向いていそうだと思ってはいたけど、いざ色々条件を聞いていると私だけでは決めかねてしまった。これまでとは全くことなる業務内容だし、キャリアとか、その先とかどうなるか想像がつかない。

彼は、自分がやりたいことなら僕なら150万下がってもやるよ。いつでもある求人でもないだろうし、もう一度話を聞いてみて決めたら、と言ってくれた。4月のヨーロッパ周遊ももう一度考えよう、と。

自分で決めた事なんて何も無かった。レールに乗って上手いことここまで運んでもらっていたから。28にもなろうとして、愕然とする。

話し合いを終えて結婚指輪の最終決定をしにいく。12月から値上がりしてしまうらしく、それまでに決めて買う予定だ。婚約指輪は結局貰わなかった。10年後お互いがもっともっと、何回りも成長して、稼ぐようになったらギラギラのダイヤを買おう、と約束して。

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