“何もない人は、自分の人生を終わらせる前に、自伝を書いたらよい。そして、それを国会図書館に納本する。これがお墓になる。生きた証しが保管される。もっとも、誰ひとり閲覧する者はいないと思うが、もしかしたら、ふと、誰かが読んでくれるかもしれない。 ずっと個人で生きてきた人は、お墓に入れないし、子孫もないし、自分がいなくなっても誰にも気づかれないはずだから、この方法を取るとよい。漠然とその日に備えて、私はやがて自伝を書くと思う。何もないからこそ、自伝を書くのである。”
Bent my ear to hear the tune and closed my eyes to see
“何もない人は、自分の人生を終わらせる前に、自伝を書いたらよい。そして、それを国会図書館に納本する。これがお墓になる。生きた証しが保管される。もっとも、誰ひとり閲覧する者はいないと思うが、もしかしたら、ふと、誰かが読んでくれるかもしれない。 ずっと個人で生きてきた人は、お墓に入れないし、子孫もないし、自分がいなくなっても誰にも気づかれないはずだから、この方法を取るとよい。漠然とその日に備えて、私はやがて自伝を書くと思う。何もないからこそ、自伝を書くのである。”