横浜から東京に引越して以来だから、18年ぶりくらいに元町公園のプールへ子どもたちと行った。三島由紀夫の小説にも登場するこのプールは湧水を使っているため、すごく冷たい、冷たかった。長く泳いでいると体の芯から冷え切ってしまうほどだったが、今回はそれほどの威力は感じず。
客層はちょっと変だ。昼間から公営プールで浮かんでいる陽に焼けたオヤジにおばさん、どなたもリッチな空気をどことなく漂わせていて、カタギじゃない方々のようにお見受けした。夏休みだけど子どもより大人の方が多く、静かな雰囲気の中わたしたちの歓声ばかりが響き渡っていた。
それにしても気持ちがいいのは監視員が余計な注意をしないこと。小金井のプールだと、「走るな」「飛び込むな」「そこで遊ぶな」などなど、とにかく始終何かを注意していてウルサイことこの上ない。その点、元町プールはおとなの対応。子どもは小学4年生にならないと、ひとりで入場できず、子ども一人につき大人一人がアテンドしてなきゃだめなのに、わたしは子ども二人連れて入場、「十分に気をつけてください」と念を押されたのみ。泳いでいる間も、派手に遊んでいたが一度も注意を受けず。
昨今の水の事故は本当に悲しいことだけれど、だれも責任を取れないし、取りたがらないのが今の社会なのだろう。だから、管理する側は事故を防ぐのが目的じゃなくて、責任を回避するために注意してるだけという感じがする。それとも子どものころは注意されてもまったく気にせず、大人になって急に耳に入るようになっただけなのか。
しかし久しぶりに歩いた元町商店街、中華街はほんとうにきれいになっていて印象的だった。すっかり観光地の顔になっていたのは嬉しい反面、昔の姿に慣れていたわたしには寂しい感じもあり、ちょっと複雑。