“よく勘違いしている人がいるんだが、「ねぎり」って、双方に「得のある落とし所」の交渉なのよ。
例えば「ほな十個買うからおまけして」とか「コレとコレとコレも買うから、コレおまけにつけて」とか「ほなこれから毎月注文するから、勉強してや」とかね。 商品って「安く売ってでも捌かないと、マイナスになる」時があるの。
生鮮食品なら腐っちゃうし、電化製品なら型落ちになる。
ホテルの部屋なら維持費と基本料金がかかる。
そもそも在庫を抱えると、それ自体が「資産」になるから、税金が発生するの。 「ねぎる」ってのは、「売れないことによって発生する、そのマイナス分を考慮しての価格設定」の交渉なの。
双方に得があって、初めて「ねぎり」ってのは意味をなすの。
「売れへんかったらそっちも困るやろ? 在庫処分に協力したるから、な?」
ってことなの。 そうじゃない、ただ「安くしろ安くしろ!」って粘着するのは、「ねぎり」じゃなくて、「たかり」っていうの。”