certification

国家資格なんて縁がないものと思っていたが、仕事の関係で試験を受けることになって、2度目にようやく合格。もともと試験は苦手で、これまでの人生でうまくいったためしがなかったが、今回だけはけっこうしっかり準備できたので、最もグレードの低いクラスとはいえ、合格には自信があった。で、証書がいま話題の総務省から交付されるのだが、これまた申請に手間と時間とお金がかかる。何だかいいカモにされてる気がしないでもないが、せっかく合格したんだからという気持ちのほうが強い。

人形町の「うぶけや」は店構えと、応対してくれるおばあさんが絵に描いたような老舗モードでその空間だけ雰囲気が違う。それを伝統というのだろう。こちらも私にはあまり興味のない世界であったけれど、きょうは砥ぎに預けていた包丁があって、久々に江戸の空気感をしばし味わった。よく切れるようになっているといいな。

ここ最近、橋本治の「窯変 源氏物語」を読んでいて、いま4巻目。全14巻だから、まだまだ先は長いけれど、大変に面白いのでけっこうなスピードで読み進める。もちろんオリジナルは1000年近く前に書かれたわけだから、風俗や言葉使いなど現在とはかけ離れてる。しかし、そういったギャップを橋本治が埋めてくれるので、真髄がずんずん伝わってくるんですな。もう21世紀に暮らしながら日本人てほとんど変わってないんじゃないかと思えるくらい心情的には理解できる。光の君がやってることはトンでもないけどね。

たとえば、いまセレブといわれる人たちがやってることって、どんだけ衣装に工夫を凝らしているだとか、いい車に乗ってるだとか、いい仕事を得ているなどなど、ほぼ外面的なことについては平安時代とやってることは変わんない。ただ、教養的なところとかは文(ふみ)に技巧を凝らした歌を書いて送るのが、メールで絵文字大盛りの送信に取って代わって、何でもググれる割には求められる知的リソースの度合いはずいぶん低くなっている気がする。つまり、現代は自分の脳みそ使ってない人がどんどん増えてるんじゃなかろうか。そのへんは何をもって知的とするのか、その基準にもよると思うが。