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スーパーに、わざと遅いレジがある。
オランダのスーパー大手ユンボは2019年、おしゃべりレジという名のレーンを作った。急がない人のためのレジで、店員との世間話が推奨されている。
国の孤独対策と連動した取り組みで、当初は1店舗の実験だったが、評判が良すぎて200店に広げ、いまでは数百店の常設になった。となりには、コーヒーを片手に話せるおしゃべりコーナーまである。オランダでは75歳以上の3人に1人が孤独を感じている。
セルフレジと無人化が進む業界での、確信犯的な逆走だ。しかも速いレジは残したまま、選べる遅さを一本足しただけ。急ぐ人の効率は奪わない。フランスのカルフールやカナダのスーパーにも同じレーンが生まれはじめた。
買い物が、その日たった一度の会話という人がいる。レジの速さを競ってきた小売業が、遅さも品揃えのうちだと気づき始めている

