I wanna be your gentleman

shubonbon:

傷つくと分かっていながらどうして懲りずに人を好きになってしまうのか。自分は馬鹿なんじゃないかと思って落ち込んでいたけど、生物学者の池田先生が 「セックスは運動か労働であって、恋愛は病気である」(池田清彦 『正しく生きるとはどういうことか』)ってバッサリ書いているのを見て気が楽になった。セックスは運動だし恋愛は病気だ。人はただの生きものだ。愛だの恋だのはフィクションにすぎない。だけどフィクションに救われる時もある。嘘は嘘のままがいいこともある。愚かだと分かっていながらも、何回だって魔法にかかる。

人生にはときどき夢みたいにきらきらした瞬間がある。たとえば、あの日ハチ公前に君が迎えにきてくれたこと。春の夜の匂い。友達が同棲している2LDKの洗面所。ライブのあとの下北沢。君と見た海の粒子。深夜のコンビニ。学生のとき付き合っていた彼氏の部屋のこたつ。わたしはそういうきらきらをかき集めて、すこしずつ、すこしずつ、宝石箱にしまう。それは砂漠からビーズを探すようなことだ。でも、わたしにとって生きるとはそういうことだ。

好きな人に何をしてあげたいか考えた。好きな人には、なるべく好きって伝えたい。誰かに好かれた経験は、きっとどこかで糧になると思うから。すくなくともわたしはそうだから。もう別れたひと、結局付き合わなかったひと、いろいろいるけど、こんなわたしでも誰かの「好きなひと」になれたんだ、って経験は、すごくわたしを強くした。あのひとに昔言われた「好き」が、ときどきわたしを守ることもあった。だからわたしの「好き」も、あなたのお守りになればいいと思う。いつかのあなたを守りたいと思う。今伝えられる言葉で。

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