“イチゴスプーンが開発されたのは昭和35年のこと。小林工業からの依頼で、青山彫金所の彫金師・青山敞さん(※2014年に逝去)が発案したそうです。小林社長は開発に関するインタビューに答えた青山さんの記事も見せてくれました。『暮らしの手帖2000年 8.9月号』に掲載されており、記事では依頼主である小林工業は「洋食器メーカー」と記されていましたが、たしかに昭和35年に誕生したと紹介されています。
依頼主となる小林工業ではその当時、イチゴを潰せるスプーンを日々考えていたそうです。その頃のイチゴは現在市場で出回るような大粒で甘いものではなく、それゆえにスプーンで潰して牛乳と砂糖をかけて食べるという食べ方が主流だったそうです。しかし、普通の丸いスプーンではイチゴは逃げてつぶしにくく、それをやりやすいスプーンをと考え最初に試作品として出来たのが「無地でスプーンの底が平らなもの」。ただ試作品を試してみると底がつるつる滑ってつぶせないので、当時の工場長が青山さんに「滑り止めに何か模様を入れてくれ」と依頼しました。
すると青山さんが「だったら、イチゴの種の模様だろう」と発案。青山さんの感覚でイチゴの種模様が配置された現在のイチゴスプーンの原型が誕生しました。イチゴの模様は青山さんが実物のイチゴを見ながらプロの技と感覚で入れていったもので、何度かの試作を経て「シンメトリーではないものの無秩序でもない絶妙な良い加減」に配置されることによって、しっかりとイチゴをホールドする凸が表現できたそうです。”
(via 昭和家庭に1個はあった「イチゴスプーン」 開発元に歴史を聞いてみた | おたくま経済新聞)
うちにもあったなぁ。