“ヒトは必ずミスをする。あなたがミスをするのは(身もフタもないが)あなたが人間だからだ。 8世紀頃のスペインで、とある錬金術師がワインをうっかり暖炉にこぼした。人工生命体(ホムンクルス)を作る実験の最中だったという。暖炉の石のうえでワインが2回沸騰することに、彼は気づいた。この発見から蒸留技術が生まれ、ブランデーが作られ、ウイスキーやウォツカ、日本の焼酎が発明されていった。 「うっかり」から生まれたものは多い。 グラハム・ベルはうっかり希硫酸をズボンにこぼして、助手のワトソンを呼びつけた。このときの「おい、ワトソンくん来てくれ!」という一言から電話の歴史は始まった。ベルギーの技術者ゼノブ・グラムは自作の発電機をデモンストレーションしている時に、うっかり二台の発電機をつないでしまった。そして発電機がモーターとしても使えることを発見し、現代の電気文明の端緒を開いた。あなたの自宅の電子レンジのターンテーブルが回るのは、遠くの発電所のタービンが回っているからだ。ライト兄弟の飛行機にせよ、本田宗一郎の空冷エンジンにせよ、発明の過程には「うっかり」がある。 人類の目覚ましい進歩は、誰かのミスによってもたらされる:そう思わずにはいられない。ミスの否定は、ヒトの創造性の否定だ。「ミスしない人」を育てることは、その人の人間性を抑圧することにほかならない。ミスが許されない状況下では、誰もがリスクを回避し、失敗を隠匿する。しかしミスを容認する状況下ならば、ミスの原因がきちんと分析・検討されることで、かえってミスの少ない環境を作り出せる。 ミスの許されない仕事は機械にさせよう。 ミスをするのは、ヒトの仕事だ。”
? なぜあなたはミスをするのか?/非効率なホワイトカラーと21世紀に求められる人材 – デマこいてんじゃねえ! (via bacars222)