yu-en:

2023年7月3日 午前

今は朝の9時36分です。10時半からの健康診断に向けて病院に向かっています。事前の天気予報では、雷雨か晴れか50%ずつだったのですが、今はかんかん照りの中を歩いています。

この文章は音声入力機能を使って入力しているのですが、普段自分の文に見ない単語が使われていて面白いです。例えば、部屋で一日を思い出しながら書いている時には、こんな天気のことを私はかんかん照りとは言わず、ただ快晴とだけ書くように思います。今、太陽の真下を歩きながらでは、ただ晴れていると言うのではなく、自分がかんかんに照らされている状態だと言いたくなります。指定の病院まで、徒歩と電車とで十分程度の違いしかなく、それならばと今歩いているのですが、後悔しています。日傘を差していても、アスファルトから立ち上ってくる熱が私の周りの酸素を薄くしているようです。

このあいだの金曜は、6月の最終日でした。私が外から会社へ戻ると、社長と私の上司が、席を立って事務所内をぐるぐるとしていました。何かお探しですかと訊けば、社長が「蜂蜜が見つからないんだよ」と教えてくれました。社長のデスクに目をやると、大きめのマグカップいっぱいのヨーグルトがありました。買ってきましょうかと私が提案した直後は「いやいや、そんな、悪いよ」と仰っていましたが、その数分後には「いや、悪いね」と財布を広げる社長に声を掛けられました。私はこの人の、人を使うことに慣れている振る舞いを見るのが好きです。数軒回ったコンビニのどこにも蜂蜜はなく、会社から少し歩いたところにあるスーパーマーケットでは、大小さまざまな蜂蜜が並んでいました。そういえば、以前交際した人が、私の誕生日に蜂蜜とハンカチを送ってくれたことがあります。その人はハンカチだけをプレゼントするつもりでいたらしいのですが、母親に「それだけ?」と首をかしげられ、後から蜂蜜を買い足したと教えてくれました。その瓶には百花蜜とありました。複数の花の蜜から作られている蜂蜜であることを示す言葉ですが、当時はその蜂蜜を食べるたび、百の遥かな蜜源のことを思ったのを覚えています。

ここまで喋ったところで病院に着きました。採血や診察を済ませて、今度は電車で会社へ戻ります。

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