先週末は次男だけ付き合ってくれた。
午前6時前に起床、7時台のJR中央線で川井駅まで。
到着したのは午前9時前、けっこうかかります。霧もかなりかかってました。湿度高め。
余裕をもって出かけなきゃアカンと思ったのは、川井駅に着いたとき。
手持ちの現金が4000円ほど。駅前のコンビニでおろせばいいや、というのが甘かった。
なんにもない。
駅前には民家だけ。
帰りの電車賃を考えて二人分のSuicaにチャージしたら残りは2000円あまり。
下山後の温泉を考えると、少ない所持金に若干不安を感じながら、バス停に向かいました。
奥多摩をなめてはいけない
そして、判明したのが、目的の棒の嶺への登山口へ向うバスは1時間に2本あるかどうかという少なさ。私たちが乗れるのは午前中はあと1本だけ。これを逃すと午後までない。危なかった。
いつものように、ダラダラ準備して遅くなってたら、下山してゆっくり温泉なんて無理だったかも。
バス停そばにあった古い橋のなごりなど探索しながら、バスを待つこと30分ほど。
無事乗り込んで最初の目的地、上日向で降り、歩き始めたのが午前10時頃だったろうか。
しばらく歩いていたら、次男が便意を催したとのこと。
中途半端な舗装道で、そのへんで野グソというのは都会の小学生にはハードルが高い。ヤマケイのガイドブックによれば、しばらく行けばきれいな公衆トイレがあるらしいから、そこまでなんとか我慢しろと言い聞かせて、しばし歩いていたら、なんでこんなところにと思うような立派な施設がありました。
その後、登山道入口から山に分け入っていくと、あたりはわさび田パラダイス。
途中オオスズメバチと遭遇、至近距離での接近にハラハラドキドキガクガクしながら、知床ガイドさんに聞いたアドバイス通り、じーーっとしてやり過ごした後は、ひたすら山頂を目指す。
これまで数回の奥多摩行きのたびに経験するのが、こちらが勝手に山頂かと思いこんでいたポイントが、まだまだその手前であったときの挫折感だ。
あと少しで山頂だ!と思い込んで登っていったら、その先に更なる高みが目に入る。あらー、まだなのかー、と達成感は満たされることなく先送りされる。これが何回も繰り返されると、精神的にも肉体的にもじんわりダメージになる。こうやって書いてみると、そんなにたいしたことじゃないのだけれど。
そんなこんなで山頂に到着。別ルートから登ってきた人たちが思ったより多くて、外国人の姿もちらほら、そのにぎわう様子はこれまでの奥多摩では見たことのない風景で、意外でした。
残念だったのが、霧が立ち込めていて、まるっきり眺望がないこと。
なので比較的気温は低かったにもかかわらず湿度が高く、カメラのファインダーもびっしりついた水の膜でよく見えない、そして自分の身体にもびっくりするほと汗をかいていました。
12時前だったけれど、お腹も空いてたので、どうにか場所を見つけて弁当にする。
ハイキングで食べる弁当は本当においしい。
じつは子どものころ父親と歩いた箱根で食べた握り飯の味が、いまだに忘れられない。
シンプルなおにぎりと香の物がこれほどウマイのか、と感嘆した記憶がある。
短い昼ごはんのあいだにも体は冷えてきて、ウィンドブレーカーを羽織るほど。
濃霧で景色を眺めることもかなわないので、さっさと下山することに。
もう幻想的ともいえる、道行きです。
挫折感を味わった上りに比べれば、下山は楽勝だろ、と考えていた私はど素人です、はい。
これは何のトレーニングですか?と思うくらい足に負担のかかる木製階段。
上りよりずっと怪我するリスクが高いぜ、と足元ばかりみながらノロノロ進む私を尻目に、次男はまるで飛ぶように下っていく。若さとはこのことだ、と実感させられる瞬間でした。
そんな急勾配のくだりを抜けると、今度は沢下りです。
途中、白孔雀の滝などを望みながら、どんどん下っていく。
もう次男は楽しくてしょうがないらしく、足元は普通のスニーカーというなめた装備だったにもかかわらず、がんがん行くのです。
だいたい、次男は歩き易い道が続くと退屈してきて、やれ何か喰いたいとか、イマ何時だ?あとどのくらいだと質問坊ちゃんになってしまうので、もくもくと歩いているときは、好きな読書と同じで集中してる証拠。
そして、無事名栗湖へ到着。数時間ぶりに歩くアスファルトと有間ダムの巨大コンクリート構築に違和感を覚えながら、歩くこと30分くらいで待望の温泉です。
入浴料や帰りのバス代を考えると、あんまり呑めないなーと暗い気持ちになりながらも、下山後の温泉はやはり格別です。風呂上がりは、次男にコーラ、わたしはスーパードライのロング缶を1本だけにして、持ってきたお煎餅をかじりながら休憩所の畳の上でくつろいだですよ。
奥多摩最高!