what i’ve got in july

7月に読んだり、観たりしたもの

ユリアと魔法の都
いまや絶滅の危機に瀕しているオトナが作った童話。内容はもちろん、装丁、イラストなど、トータルですばらしい。こういう空気感て私が子どものころには普通にあったのになあ。いまはとんと見かけない。「背教者ユリアヌス」の立派な装丁本を近所の古本屋で買い逃したのが、いまだに悔しい。童話といえば雑誌「飛ぶ教室」最新刊は読み応えのある特集で、ちょっとずつ読んでる。

書店で偶然手にとってプチ談志ブーム。
談志の落語 五 (静山社文庫)
ほんとはDVDで観たい、いやナマで観たいところだが、テキストで我慢。それでも伝わってくるのが談志のエキス。
人生、成り行き―談志一代記
弟子の中ではとくに志の輔を評価しているのが新鮮というか意外だった、へーそーなんだ。先日MXテレビで再放送していた石原慎太郎都知事との対談番組を見たら、死にたいって繰り返してるわりに、まだまだイケそうな感じでほっとした。

サンタクロースの秘密 (serica books)
アメリカとか資本主義、クリスマスの関係。ざっくりとした内容しか覚えてないや。もっかい読も。

若者よ、マルクスを読もう (20歳代の模索と情熱)
後半にいくにしたがってマルクスの引用が多くなり、わたしにはつらい展開だった。河上肇の「第二貧乏物語」のほうが好き。

その第二貧乏物語は、図書館で見かけて装丁がかっちょいいので借りてみたやつ。マルクスへ何度も体当たりして一生懸命考えてる著者に好感が持てる。8章以降、架空のダイアローグになってからが俄然楽しい。

山猫理髪店―別役実童話集 三一書房
いまアマゾンじゃ買えないのね、へへ。吉祥寺の古本屋「百年」のエサ箱(格安品コーナー)にて見つけた逸品。別役作品は子どもの頃ラジオでよく聴いていた。少し毒を含んだストーリーが少年の心に響いたのだろう。この本は若きスズキコージが表紙を担当していて味わい深い。もちろん中身も。とくにサーカス・シリーズが秀逸。

Toy Story 3
過去2作品は子どもたちと一緒に何度も観ていて、キャラクターの設定とか完全に頭に入ってるので、冒頭から没入できた。諦観した彼らが手をつないで落ちていくシーンは泣ける。

寝盗られ宗介
PFFの若松孝二特集での上映。Web Diceでプレゼント応募したら当たったので、四半世紀ぶりに京橋のフィルムセンターへ出かけた。たぶん新しくなってから初めてだと思う。原田芳雄、藤谷美和子のメインキャストをはじめ、脇役、セットなど完成度がとても高い。阪本順治セレクトの作品ということで、本編終了後に若松監督と阪本監督による対談がセットアップされていて、製作時のエピソードなど楽しく聴けたが、何より若松監督の人柄、おおらかさ、厳しさ、勤勉さなどがうかがい知れて、とても印象に残った。キャタピラーも観ないとな。