the way of fun

もうスポーツニュースはイチロー絶賛の嵐だ。9年連続200本安打で大リーグ記録を更新したのは、ホントすごいと思う。日本の報道を見ていると、その心技体は超一流と呼ばれるにふさわしい、と感じられる。アメリカでのイチローの存在がどんなものなのか、私は知る由もないが。

一方、こんなにヒットを打つ選手がいるのに、所属球団のマリナーズはイチローの入団以降に限ってみれば、入団した2001年に地区優勝を1回しただけで、ワールドシリーズ進出はおろか、リーグ制覇もなし。たとえチームの総合力が低いとしても、天才と言われるバッターであれば、強豪チームからの引き合いとかありそうなものだが、移籍の噂さえ聞いたことがなく、マリナーズ一筋というのも理解に苦しむ。

またチームスポーツのメンバーへのインタビューでは所属チームの勝利をその第一目標に挙げるのがごく普通だが、どうもイチローには違う印象がある。これだけ特集番組などでいろいろ取り上げられて、毎年200本以上ヒットを打つことへのこだわり、たゆまぬ打撃技術革新、コンディション作りへの取り組みは伝わってくるが、マリナーズでワールドシリーズ制覇するんだ!といった勝利への執念みたいなものは、あまり感じられないのも変だ。

違うスポーツにたとえるのは筋違いかもしれないが、サッカーで言えばリフティング王みたいな存在なのかな、と考えた。本筋のゲーム、チームとの関係が希薄、もしくはほとんどない。どんなにリフティングが上手でもワールドカップには出られないし、欧州のクラブから声がかかることもない。確かにヒットを打つという技術は超一流かもしれないが、野球ってチームスポーツだよね?

日本でのあんまりな報道ぶりにちと文句つけてみたくなっただけ、子どもたちに夢を与えるという点では、彼がとても偉大な選手であることに異論はない。