ロックの世界を紐解くとMillion Dollar Quartetという事件、というか伝説がある。Elvis Presley, Johnny Cash, Jerry Lee Lewis, Carl Perkinsという後の高給取りたちのセッションが記録として残された、いまだったらチャリティ・イベントなどでしか実現できない夢の競演である。メンフィスのSun Recordsというマイナーレーベルのスタジオで録音されたために、権利関係のクリアに時間がかかり、リリースまで20年以上かかったらしい。
1975年にリリースされたGil E Jorgeを聴いて、思い出したのがこのミリオン・ダラー・カルテットだった。人数は半分だし、マーケット的にはずっと狭い範囲だけれども、ブラジル音楽界でいえば同じく、後の大物たちによる若気の至りセッションである。
それにしても、初めて聴いた時の「なんじゃこりゃ」感は強烈だった。誰か止める奴はいなかったのか、と。しかし、聴き続けていると印象は大きく転回していく。ほとんどスタジオ・ライブの一発録音らしいという情報もネットで見かけたが、30年以上経過しているのにまったく音楽が古びていない。アコギ2本とベース、簡単なパーカッションで延々歌合せ。そのスピード感、躍動感、珍妙なサウンドなどなど、もう素晴らしいの一言に尽きる。それがDiskUnion新宿中古センターで500円。ブックオフで椎名誠の文庫買う前に、まずは新宿中古センターへ行こう。
先日、そのセンターにて300円で購入したRy Cooder & Manuel Galbanのアルバム「Mambo Sinuendo」が大のお気に入り、最高だーな。Martin DennyとかArthur Lymanのことを思い浮かべた。それらを聴かなくなって20年近く。Buena Vista Social Clubにはピンとこなかったけど、こっちはキターッ。