3時45分起床、スペイン対フランスをTV観戦。スペインがいいところなく敗れた試合だったけれど、ジダンは最後の輝きを見せている。いっぽう私の喉の痛みは引かず、病院で抗生物質と風邪薬をもらって飲む。次男はすっかり回復、まだ咳が時たま出るものの6時起床、元気いっぱいでやかましいまま幼稚園へ。
中沢新一の「芸術人類学」という本は楽しい一冊だった。7月号の「すばる」には、爆笑問題・太田光との対談が載っていて、テーマは「宮澤賢治と日本国憲法」。そのなかで本論より印象的だったのが、中沢が自分の飼い犬は「他の犬が残したおしっこを嗅いで、そのおしっこで書かれた手紙への返事を書くために散歩している」と言い切っていること。なんという表現なんだろう。わたし自身も犬の散歩を日課としているけど、そんな風に考えたことなど一度もなかった。
中沢の著書を読んでいると、親戚でもある網野善彦の名前はよく出てくる印象があった。その影響なのか実際に講談社学術文庫から出版されている何冊かはいつか読もうと思って、売られずにわたしの手元に残っている。素人にはとっつきにくく、もうちょっと読みやすそうな本を探していたら、鶴見俊輔との対談集「歴史の話」と出会った。
こういう本は入りやすそうなのだが、奥が深く、書いてあることを全部きちんと理解しようと思ったら、本当にたくさん勉強しないとだめなような気がした。それが鶴見の狙いなんだろうけど。そして書かれていることはけっこうまっとう(と感じた)なのに、あまり声を大にして言えないような雰囲気がいまの日本にあることが実はとても残念だ。でもこうやって本になっていることが救いかも。わたしのように図書館で目にする機会があるわけだから。
「これまでの歴史観が180度転回する」というような内容ではけっしてない。が、結果的にそうなる「きっかけ」が転がっている。私たちの世代からもこういう学者がたくさん出てくるといいんだけどなあ。