先日NHKの番組「にんげんドキュメント」では、72歳の仲代が40年以上前の映画「用心棒」や「椿三十郎」で演じた役のフィギュアを眺めながら、しばし物思いに耽るというシーンがあって印象的だった。
「刃物のように鋭い」という形容詞がぴったり当てはまるようなキャラに、仲代の彫りの深い顔が形を与えて、彼が登場するシーンはどれも緊張感がいやがうえにも高まる作品はきっとほかにもたくさんあるのだろうけれども、黒澤作品以外では、「切腹」くらいしか知らない。
そんな役どころが私にとって強い印象を残している仲代もすでに72歳。その彼があたらしい芝居に挑む姿をとらえたドキュメンタリーに深く感動してしまった。
老齢から来る記憶力、体力の衰え、それを必死に乗り越えていこうとする生きざまは、スゴイのひとこと。長い稽古から帰宅した彼が寝る前にするのは、寝室の壁にところかまわず貼り付けられた、セリフを書いた半紙を懐中電灯で照らしながらの練習。ストイックとか、超然というより、「生きざま」という言葉がふさわしい。
最近話題の「男たちの大和 / YAMATO」にも出ているらしい・・・映画としては興味ないけど、仲代の演技が見てみたいなあ。あ、もしかしてプロモーションの一環?