最近もDVDがアメリカで再発されていますが、ジミ・ヘンドリックスのウッドストックでのプレイは本当に素晴らしいので、機会があったら一度見ることをオススメします。
先日、NHK/BSでCharを中心に鮎川誠、山岸ジュンシらギターの名手を集めたライブが放送されていて、その中でジミヘンがライブでは必ずオープニングで演奏していた「Fire」のカバー・バージョンを聴くことができました。演奏自体は非常にクオリティが高く、相当うまいのだが、当然のことながら本物の方が全然いい。それは転びそうなドラムとか、つんのめるベースとか、プレーヤーの気持ちが音楽として表現されて、味があるとでも言ったらいいのだろうか。テレビを見ながら思ったのは、ジミヘンが好きで好きでたまらない人が、ジミヘンに近い演奏をしようとすればするほど、聴いているひとにとっては、当の演奏から気持ちはどんどん離れて、ジミヘンの演奏を求める気持ちが強くなるんじゃないかということでした。
私が好きなギタリストにジェリー・ガルシアという、もう10年前に亡くなってしまった人がいるんだけれども、彼は生前よく他人の曲をカバーしてました。そのどれにもジェリー印がついており、それはそれで楽しめるバージョンになっていて、ボブ・ディランの「悲しみは果てなく」とか、彼のバージョンを聴いて、オリジナルを好きになった曲もたくさんありました。
これはもうアーティストとしてのスタイルの違い、まあ日本のギタリストをジェリー・ガルシアと比べること自体が無理なのかもしれないけど、清志郎がモンキーズをカバーしたのは良かったし、別に洋の東西を問わず、やはり姿勢の問題なのだと思う。
まあ、前述のHNKで放送していたライブはお祭りなので、そう硬いこと言わず盛り上がりましょう!という企画なんだろうけれど、その後、フジテレビで坂崎幸之助がメインとなって日本のフォーク+ニュー・ミュージックの名曲をカバーするというライブ番組はなかなか惹きこまれましたねえ。どうせやるなら、あなたにしかできない演奏を・・・という気持ちがあるかどうか。要はそのへんのことなのかもしれません。
さて60年代多くのアーティストが住み、世界で一番有名な音楽祭が開かれた場所も、最近では「肉の名所」として小金井市近郊の店の名前に使われるまでになりました(上の写真参照)。しかし、「肉の名所」ってすごい、確かにおいしかったけど 🙂