“面白いのが、幹部自身は意思決定どころか戦略を立てることすらしない。何故なら戦略を立てる為に必要な情報はどうあがいても幹部ではなく現場に近いところに集まるからである。これはNTTにいた時も「具体的な戦略は脂の乗った中堅社員達が試行錯誤して立案していて、対外的には幹部を操り人形のようにして喋らせているだけ」などと言われていた。では幹部は何もしていないのかというとそうではない(若い頃の僕は「それだと何もしていないのでは?」と勘違いしていたが)幹部はその試行錯誤する中堅社員達にどういう価値観の戦略であれば承認するかをあらゆるチャンネルを使って繰り返し伝え続けていくという大仕事があるのだ。これが最初の結論にある「文化と価値を定義して強制する」という行動の実態である。別に全ての幹部がこの事を完璧にできているとは思わないが、結果として大企業の幹部の取るべき行動の最適解がこの辺りに収斂するというのがこの元の記事の趣旨である。”