“「私がマイアミで手はずを整えておいたレコーディング・セッションには、結局、アレサは一度も顔を出さなかった」とウェクスラーは言った。「えらくがっかりしたよ。クライテリア・スタジオはあの頃、熱く燃えていたからな。ジェイムズ・ブラウンが”アイ・ガット・ユー”を録ったのもあそこだった。私はいくつか新曲用に南部きっての凄腕たちを集めておいたんだが、肝心のアレサはいったい何処に? これは後にセシルに聞いたんだが、どうやらホテルからスタジオまでの道を愛が塞いでいたらしい。なるほど、愛であれば、あれこれ言うのはなしだ。それまでにくぐり抜けてきたことを考えれば、アレサは愛を手に入れてしかるべきだったからだ。”
– アレサ・フランクリン 「リスペクト」