先週末に伊豆箱根を訪れたついでに、彫刻の森美術館へ寄った。パブロが本気出した作品を見たいというキモチにさせるという意味では存在価値のあるピカソ館を除けば、たいへん楽しめた。そもそも入場料が比較的高いから、当たり前か。これでもかってスケールのでかい作品が余裕の空間に並んでいるのが気持ちいい。これだけのサイズをひとりのアーティストが構想して細部まで気持ち入れて作ったということを想像するだけでも感じる部分はある。
今日は近所にある府中市美術館で歌川国芳を見てきた。なんでかって、彫刻の森美術館のショップで北斎漫画のパーツをみて、感じる部分があったから。いままで、北斎なんてちゃんと見たことなかったけど、彼の作品から抜き出した人物画を集めた本をパラパラ眺めてて、あらけっこう面白いタッチなのね。そんなところに毎日新聞で国芳の紹介記事があり、かつ自宅から近い展示場所、これは呼ばれてるな、行くしかないと雨の中、マイカーとばして。それにしても冷たい雨の降るなか、鳴いてるウグイスがかわいそうだ、などと思いつつ。
江戸時代のマスプロ版画なので、ベースとなるサイズはちっちゃい。それを3枚合わせたりして、けっこう自由にやってた。けど、ピカソとか北斎みたいなタッチの奔放さ、というかいいかげんさがほとんどなくて、細かいところまできちんと仕事している。国芳じつはかなりマジメ人物だったのではなかろうか。目録欲しかったけど、あえて買わずにハガキ3枚だけ買った。とくに気に入った「むだ書き」シリーズ、こんな気さくな作画を観てると、なんだかその存在が身近に感じられる。