夏風邪をこじらせてから肩こりになって、それが首の痛みに発展していた近頃、あることをきっかけにそれらの痛みからすっかり解放された。何のことはない、単に姿勢を正しく保つこと。自宅でも職場でもPCに向かう時、あと電車に乗って移動するときなど、どうも猫背で足を組んでみたり、変な姿勢でカラダによくなさそうな感じはしてたのだけれど、つい癖になっていた。それで、寝転がっているときにも首の痛みがひどく、つらかったので、ためしに寝たまま背筋をピンと伸ばしてしばらく横たわっていたら、その後がずいぶん楽になっていた。そのときは呼吸にも気をつける、とくに息を吐くとき、腹式呼吸を意識する。お、これは!と、その後は起きて歩くときも作業時、テレビを眺めるときにもなるべく姿勢を正していたら、肩こり、首の痛みはすっかりなくなってしまった。んーこんな簡単なことで。もともと人生で肩こりという現象をほとんど感じたことがなかったので、最初は冷房のせいかと思っていた、それも一理あると思う。カラダが必要としている以上に冷やしたために、冬の寒いときに身を屈めるように、知らないうちにおかしな姿勢になっていたのだろう。年齢とともに体力が落ちてくると、そんな些細なことで身体の中の管みたいなものが曲がったり、ゆがんだりして思わぬ不具合を生じさせることになるのではなかろうか。
毎回硬軟取混ぜ、興味深い記事を提供してくれる「極東ブログ」は、いつもチェックしているサイト。そこで「崖の上のポニョ」レビューが投稿されてた。先月鳴り物入りでDVD化されたばかりだから、見てる人も多いと思う、映画を。ちなみに私は子どもたちと映画館で見た。そのときは宮崎駿入門にはもってこいなんじゃないかという感想を持ったけれど、Finalventの手にかかるともっと深い、ずっと深い作品ということになる。詳しくは本稿に任せます。わたしがこの記事で引っかかったのはポニョとの比較で紹介されていた西脇順三郎「旅人かへらず」という作品のこと。
Finalvent曰く
個人の人生に出現する具体的な体験の情感を、その具体個物から共有的な無意識に移し、瞑想的に深遠なるものを暗喩する手法である
ポニョを見て西脇を想起したそうだ。んーいったいどういうことなのか、一度読んだだけでは分からない、気になる文章である。
というわけで夜勤明けに神田駅前の啓文堂で購入した。戦前に書かれた「Ambarvalia」、戦後の「旅人かへらず」が一緒に収められて、発行当時のカバー写真のほか、新倉俊一による簡単な評伝と年表も収録している充実した内容だけれど、わずか230項ほどの文庫本に1,300円とは文字通り破格。日本の詩に与えた影響が大きいとか知らなくても単純に楽しめそう。さっそく、見つけたオモシロフレーズを抜書き。
脳髄は塔からチキンカツレツに向つて永遠に戦慄する
ナンノこっちゃ。1930年代にこんなこと書いてたなんてスゴ。