高円寺のユニークなレコードショップ「円盤」や「美音堂」といったレーベルで知られる田口史人さんにインタビューしたときの彼の言葉「日本の音楽業界のビジネス規模は、豆腐業界と同じくらい。にもかかわらず、音楽で食ってこうとする人が多すぎる」が忘れられない。田口さんのことは、nobodyという、すごくいい雑誌で知ったのだけれども、もともとCDショップのバイヤーをしていた彼が、聴かなければいけないCDの数が加速度的に増えていく一方で、ショップでは売れると分かっているものしか置こうとしないことに大きな矛盾を感じて、「円盤」という国内のディストリビューションに乗らない音ばかりを集めている。この店では、音楽って何なのか？という根本的な問いをぶつけられることになる。とはいえ、そんな堅苦しい感じはしなくて、へえー面白いね！と思える音が剥き身で満載されている感じではある。（私が行ったときにはラリー･ハーロウがかかってた 😉 ）夜にはもうひとりの経営者によってイベント･スペースにもなる。こんな店がもっとたくさん増えれば楽しいのにね。